瀬戸内オリーブ基金






福永稔さん  



株式会社薫寿堂 120年続く伝統の香りに

日本でもっとも多くのお香・お線香を生産している、兵庫県。なかでも淡路島の生産量は、国内生産量の実に70%以上を占めています。その淡路島で明治26年に創業。120年にわたってお香やお線香づくりを行っているのが薫寿堂です。3年前より、業界初のユニークな商品を通じて瀬戸内オリーブ基金をご支援いただいています。改めて御礼申し上げます。今回、薫寿堂本社を訪問し、四代目代表取締役社長 福永稔さんに本社工場やショールームをご案内いただきました。







業界初「エコ線香」を通じた環境活動

良い香りでいっぱいのショールーム。一歩入るだけで、自然と心が癒されていきます。様々な商品が並ぶ中、売上の一部が瀬戸内オリーブ基金への寄付に充てられる「宝」シリーズも、基金を紹介する数々のポップとともにショールームの正面に並べられていました。「宝シリーズのひとつとして、そのままでは利用価値のない間伐材を使用した業界初の『エコ線香』をつくりました。間伐材に加えて、耕作放棄地などで過剰に増えてしまった竹も使用するなど、100%自然素材にこだわっています。『エコ線香』に限らず、お香やお線香の主原料は木材。環境に配慮した商品の生産だけではなく、もっと自然環境に還元できるような活動はないかと、いろいろ探していたところ、瀬戸内オリーブ基金に出会いました」。


年間6万人が訪れるショールームから情報発信

工場見学やお香づくりの体験もできる薫寿堂には、年間6万人もの観光客が訪れるそうです。瀬戸内オリーブ基金の活動は、ショールームに並べられたポップだけではなく、見学に訪れたみなさんに見てもらっているという「お香の歴史」ビデオ内でも紹介いただいています。「お線香は『もともと環境負荷が少ないもの』と考えられている方が多いようです。宝シリーズで、日本環境協会のエコマークを申請しようとした際も、協会側にさえお線香を想定した基準は存在しなかったほど。弊社からいろいろなデータを提出し、協会の方とともにお線香のエコ基準を作成しました」。
こうして誕生した「エコ線香」は、原材料への配慮に加えて、使用後の灰も少なく、さらに瀬戸内オリーブ基金を通じて売上の一部が自然環境に還元されるという、多方面からエコに取り組んだ商品。一度使うと、リピーターになるお客様も多くいらっしゃるそうです。


出雲大社の古い檜皮を使ったお線香を開発中

宝シリーズをはじめ、業界初の試みが多い薫寿堂。現在も新しいプロジェクトが進められています。島根県・出雲大社では、60年に一度の遷宮「平成の大遷宮」が行われている真っ最中。60年ぶりに、御本殿の大屋根替えと修造が行われるのですが、薫寿堂では、古い大屋根から撤去した檜皮を使用したお線香の開発に取り組んでいるそうです。「出雲大社の方からご連絡をいただいたのですが、前回の遷宮は60年前なので、その様子を詳しく知る人は少なく、古い檜皮をどう処理したかは誰も分からないとのこと。ただそのまま廃棄するのはもったいないので、何とかお線香にできないかとのお話をいただきました」。
薫寿堂では、2013年5月の「本殿遷座祭」に向けて、何度も試作を重ねながら準備が進められています。「こうしたお線香をきっかけに、多くの方に環境に興味を持ってもらえたら、と思います」。