瀬戸内オリーブ基金



中條愼也さん

一番大切なのは、海や海底ごみ問題について、関心を持ってもらうこと
「瀬戸内オリーブ基金と海守さぬき会が「海底ごみ目に見える化計画」を進めるにあたり、学術面からのサポートをお願いしたのが水島地域環境再生財団(みずしま財団)の塩飽さんでした。お話を伺ってきました。(岡山県倉敷市2013年8月)
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海底ごみに取り組まれたきっかけは?

私は2001年から財団に入り、海ごみを担当しています。いざ調べてみますと、当時ほとんど研究者もおらず、調べられていませんでした。海底ごみに困っている漁業者は当然この問題について知っていましたが、世間の認識はありませんでした。そこで、実態を明らかにしないといけない、ということがそもそもの始まりでした。

香川県で始まった陸域・沿岸域一体の海ごみ対策についてのご感想は?

行政は市民の関心に敏感なところがあります。ですから市民への啓発が行政の取り組みにも影響します。海守さぬき会や瀬戸内オリーブ基金の海底ごみに関する香川県での取り組みは、この点で重要なことであったと思います。
啓発活動を続けていくことで、市民が関心を持ち、意識を持っていく。そのことが世の中を変えていくことになると思います。
特に子供たちが体験学習で学ぶと、親の方にも影響を与え、さらに広がりが生まれていきます。
この度の香川県の陸域・沿岸域一体の海ごみ対策の取り組みは、全国でも初めてのことで、画期的だと思います。この取り組みが実績としてうまくまわっていけば、ほかの地域にも波及する可能性があるでしょう。
行政の縦割りの中で、今までは地域の中で発生したごみは地域の中の問題として処理されていました。ですから陸域ではなかなか海に対する意識はありませんでした。
ここで発生したごみを放っておくと、やがては海へ流れ込んでいって環境を悪化させ、沿岸部の人たちが困る事態になる、という意識につながっていくと、ごみを出さない、というのは当然ですが、さらにもっと広がりを持つことだと思います。この取り組みが今後どのようにうまくまわっていくか、そのための提言や検証をしていきたい、と考えています。

海底ごみに関して市民ができることは?

ポイ捨て・不法投棄などをしない、ごみを捨てない、ということです。川を見ていても道路に近いところにごみがたまっています。そういうところにごみを捨てないことがひとつは大切です。
ただそうは言っても、ポリ袋や空き缶、ペットボトルにしても、今の世の中自体が大量生産で使い捨ての商品が中心になっています。きちんと処理をしようとしても、そうはならないところがあります。
社会全体として、使い捨ての商品から切り替えていく必要があるのではないでしょうか。つくる側、製造者側も不要となった物の回収までを考えた製品づくりをする必要があります。海ごみの問題というのは、今の社会のあり方を変えていかないと、根本的な解決にはならないと思います。
ごみの発生を抑えることの大切さがあります。

今後、ふるさとの海に望むことは?

ごみの回収など、瀬戸内海の環境を良くしていこうと思った時、市民のみなさんに海に関心を持っていただくことが大切だと考えています。まず一番は「関心を持ってもらうこと」。そして「地元の瀬戸内海のお魚を食べましょう!」ということです。そのことで、まわりに住んでいる人たちと海の関わりが深くなっていくといいな…と思います。
たとえば川にしても、我々の親の世代は川で遊んで泳ぐことを覚えたということは、今の子供たちには想像できないと思います。今の護岸化されている川が普通の川なんだ、という意識の人たちが多くなり、それが当たり前になってしまっています。
本来の姿、というのでしょうか、それが分からないと、環境を良くしていこう、取り戻そう、と言っても、原風景、原体験がないと難しいと思います。